6月 29 2010

雨上がりの朝

雨上がりの朝、車で仕事に向かう途中、中学生が自転車でこけていた。

・・・なんと?

息子の篤史(中2)だった!

引き返して篤史に近寄り「どげーしたとや?」「大丈夫か?」

篤史は体をくねらせながら「・・・、うん」

よく見ると制服(夏服)の肩は破け、すりむいた左肘はかなりの大きさで赤くなっていた。

ヘルメットを着用していたので頭は大丈夫としても何所か骨折でもしていたら・・・。

「・・・本当に大丈夫なとか?」「骨やら折れたりしとらんとか?」

「・・・うん・・・たぶん」

とりあえず、ばあちゃんに連絡をとって篤史を学校に送ってもらうことにして仕事に向かった。

心配していることには違いはなかったが、小学校のころに机の角に頭をぶつけておお泣きしていた息子が、中学生になって、こけた痛みに顔をゆがめながらも、はっきりと返事をしてくれたことに少々たくましさをおぼえた。

自転車でこけたことはあまり多く語らずに翌朝になり、朝食の際に右横に座った篤史の左肘に目をやると、もう傷を瘡蓋がおおい治りはじめていた。

「昨日のあれは、なんやったとや?」

「・・・ころげた。」

「・・・省略・・・」

「・・・省略・・・」

つい先日、買ってもらったばかりの新品のアウトドア用レインスーツをカバンに詰め込んで、今日も篤史は学校に向かう。

「じゃ、行ってきます!」

「頑張れよ!・・・こけんなよ!」

これから毎日、篤史を送り出す時の言葉に「こけんなよ!」が加わることになった。